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2019.10.11

Road to 10.17 vol.3 有馬 昌宏(富山GRNサンダーバーズ)



テークバックの一瞬、トップの位置で左腕が頭よりも高く止まる。その立ち姿は“フラミンゴ”のよう。183㌢の変則左腕はそこからインステップし、最速146㌔の直球、そして落差のあるカーブ、スライダー、チェンジアップを投げ込む。

「フォームを模索する中でテークバックを早くつくろうというのがきっかけでした」

打者にとって球の出所が見にくく、タイミングを取りづらいフォーム。特筆すべきは奪三振の多さで、今季は主に中継ぎとして32イニングを投げて奪三振数が42とイニング数を上回った。

青森県の出身。高校ラグビーの名門である県立青森北高を経て、福島県・東日本国際大では2年春のリーグ戦で先発の一角としてリーグ優勝に貢献。全日本大学野球選手権では1回戦で敗退したものの2番手で登板し全国デビューを果たした。
しかしその後、「フォームを変えて調子を落としてしまいました」。4年時には春も秋もリーグ戦での登板は1イニングのみにとどまった。しかし、NPB入りという夢を諦められなかった。

「BCLならば1年目からNPBに挑戦できると思いました」

今春、富山GRNサンダーバーズに入団したことで有馬の夢は再び前に動き始める。富山の投手コーチ・乾真大(元巨人など)と出会う。
「乾さんの存在が大きかった。左腕のコーチは初めてで、同じ感覚を共有できました」
乾コーチのアドバイスのもと、フォーム固めに成功する。試合でも自信を持って腕を振ることができるようになった。
「前期は思っていた以上にうまく投げることができました。後期は少し調子を落とした部分がありましたが、終盤に修正できました」

BCL選抜メンバーに選ばれた9月の交流試合では巨人三軍、オリックスファームとの全4試合で登板し、失点もあったが「自分のアピールしたい部分は出すことができた」と前を向く。
「富山のファンの皆さんからは今季、いい時も調子を落とした時も熱い声援をいただいて力をもらいました。NPBに行くことで何とか恩返ししたいと思っています」

エリートではない。しかし試行錯誤と工夫を重ねながら、1シーズンで夢に手が届くところまで来た。変則左腕は10月17日の吉報を待っている。

文・写真/岡田 浩人
 
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